セッション 2

フィランソロピーの進化と深化 ~時代に呼応するフィランソロピーを追い求めて~

世界各地で起こる人道危機や社会課題が山積する今日、フィランソロピーセクター(主に財団法人)はどのように社会変革と社会課題解決を加速させることに貢献できるのでしょうか。今フィランソロピーには何が求められ、それはなぜフィランソロピーでなければならないのでしょうか。人間はどう生きるべきかという哲学を足掛かりに、何がフィランソロピーであり(WHAT)、なぜフィランソロピーでなければならないのか(WHY)を再確認、または再定義しながら、国内外の先駆的な取り組みの事例や知見を元に議論します。そして社会変化に合わせ進化したフィランソロピーの在り方や財団の役割(HOW)を模索します。

基調講演

  • 実験寺院寳幢寺 僧院長

    松波 龍源氏

    僧侶・思想家。大阪外国語大学(現:大阪大学)外国語学部卒・同大学院地域言語社会研究科博士前期課程修了。
    ミャンマーの仏教儀礼を研究するうちに研究よりも実践に心惹かれ出家。
    現代社会に意味を発揮する仏教を志し、京都に「実験寺院」を設立。
    学生・研究者・起業家・医師・看護師などと共に「人類社会のアップデート=仏教の社会実装」という仮説の実証実験に取り組んでいる。

パネルディスカッション
モデレーター

  • Zebras and Company Inc.
    共同創業者

    陶山 祐司氏

    (1)長期志向で、
    (2)ステークホルダー全体へ貢献し、
    (3)社会性と経済性を統合的にマネジメントするゼブラ経営の普及に尽力。
    特に非営利(フィランソロピー)・行政・政治の経営の変革にフォーカスし取り組みながら、クロスセクターで領域横断的な協働を進めている。元々は経産省でエネルギー政策、電機産業政策を担当。その後、VC/新規事業コンサルとして、宇宙開発ベンチャーの100億円超の資金調達などを支援した。

登壇者

  • ハサナ財団 マネージングディレクター

    ダトー・シャヒラ・アフメド・バザリ氏

    ダトー・シャヒラ・アフメド・バザリ氏(以下「シャヒラ氏」)は、6 億 5,000 万米ドルの寄付金を持つマレーシア最大の慈善財団であるハサナ財団 の理事兼常務理事である。ハサナの重点分野は、教育改革、貧困緩和、気候危機と自然保護、芸術と文化、研究である。シャヒラ氏は、2015年の設立以来、ハサナ財団を率いており、特にパンデミック中にハサナ財団が財務省と協力して、脆弱なコミュニティを支援するため、5倍に増額した資金を分配したことなど、パートナーシップと協力を提唱したことで知られている。また、講演活動やオピニオンリーダーとしても活躍し、持続可能性の重要な問題に取り組み、社会正義に基づいた社会改革を提唱している。

  • YCAB財団 創設者兼CEO

    ベロニカ・コロンダム氏

    ベロニカ・コロンダム氏は1999年にYCAB財団を設立し、革新的な教育と融資を通じて世代間の貧困と闘い、500万人以上の恵まれない若者と母親に影響を与えてきた。彼女のリーダーシップの下、YCABは「世界のNGOトップ100」(2022年ジュネーブ)の28位にランクインし、ベロニカ自身も2つの国連賞(2001年ウィーン、2017年ニューヨーク)を受賞した。アジア21リーダー、世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダー、社会起業家の称号を持ち、フォーブスの「アジアの慈善家48人」にも選ばれている。

    さらに、彼女は世界最大のマイクロファイナンス機関であるPT.PNMの独立委員を務めているほか、インパクトのあるイニシアティブのための資金流入を促進することを目的としたアジア有数の社会的投資ネットワークであるAVPNの会長も務めている。仕事と並行して、彼女は出版作家であり、熟練した講演者でもあるが、何よりも3人の成長した子供たちの母親としての役割に大きな誇りを持っている。

  • 公益財団法人トヨタ財団
    プログラムオフィサー
    国内助成グループ グループリーダー

    武藤 良太氏

    立教大学21世紀社会デザイン研究科在学中にNPO法人市民社会創造ファンドに関わり、資金(助成金)を介在したNPO支援の世界に触れる。以後、同ファンドにて国内の団体を対象とした市民活動助成に携わる中で、第一子の誕生により日常の営みの場である「まち」をより身近に捉え始める。持続可能な地域社会やコミュティづくりをテーマとした助成プログラムを実施している公益財団法人トヨタ財団に2019年4月に入職し、同プログラムを担当。

  • 一般社団法人 全国コミュニティ財団協会 副会長

    鈴木 祐司氏

    1997年に米国に本拠地をおく米国財団法人の日本事務局に入局。国際的に5歳~25歳までの成長環境の改善のために企業等と連携して資金提供を図る。日本においてはCSRの視点で企業と連携した助成プログラムの企画担当。2011年の東日本大震災発災直後に仙台入りし、東北初のコミュニティ財団:地域創造基金さなぶりの設立業務に従事し、現職。資金調達と資金助成の統括役として、これまで計22億円弱の資金を調達。